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学びのコミュニティ研究会

なぜ、今、この研究会を立ち上げたのか?


             遠藤 敏朗

  本研究会を立ち上げるに至るあらましを簡単に紹介させていただきます。
資料の中のあゆみと讃岐先生のことばをじっくりお読みいただければご理解できるのではないかと思いますが、世話人をさせていただいております私の方で簡単に説明させていただきます。

  今から12年前、平成12年松山市PTA連合会が讃岐幸治氏を委員長に「こころの教育研究室」を設置しました。 その中で、今後のPTA活動の方針を研究する中核として「学社融合」が提案されました。
  その提案を受けて「YOUGOネット委員会」を平成13年に設置し、そのパイロット校として堀江小学校・東中学校が指定されました。私の勤務する堀江小学校は現在学社融合10年目を終え、11年目の新たなスタートを歩んでいます。

  そんな中で平成14年、学びの共同体を研究する「学びのコミュニティ研究塾」が村上伸二氏を塾長に設立しました。従来の公民館活動や愛護班活動や壮年会や婦人会活動等に加え、学社融合を視野に入れ、また、地域での様々なボランティア活動やNPOの活動などでの学びを「学びのコミュニティ」として、情報交換し合い考える場となりました。そんな中で焦点化されたのが「子ども」でした。平成18年讃岐先生の愛媛大学退職を機に行われた「讃岐先生を囲む会」では、「子どもチャレンジプラン」つくりを目指して、パネルディスカッションが実施され、NPOの設立が決議されました。

  そこで、平成18年に誕生したのが「NPO法人えひめ子どもチャレンジ支援機構」です。子どもたちの自主的なチャレンジを支援する仕組みづくりに現在も挑戦しています。
  そして、それとともに平成20年に立ち上がったのが「地域教育実践交流集会」です。地域教育の実践家が年に一回、大洲青少年交流の家に集い、相互に実践を交換し交流しています。今年で5回目を迎えています。
  そうした流れの中で、ずっと貫かれていたのは「子ども(青少年)を育てる」スタンスでした。様々な場で、様々な活動を子ども(青少年)をよりよく育てるために実践されていました。しかしながら、実践を積めば積むほど、社会総がかりの教育(子育て)に対する課題が見えてきました。特に、学校と地域がどう連携していくのがいいのか、 子どもたちがよりよく育つためには、学校が、地域がどう変わらなければならないのかを徹底的に大人たちが知恵を出し合い、考え抜いていかねばならない時代が到来しているような気がしています。
  学校の教員も一生懸命子どもに向き合っています。様々な対応で迅速に適切に処理する仕事が年々増えています。緊張感あふれる学校です。ただ、しっかり地に足をつけた教育を大切にできているかというと疑問が残ります。子どもが一人前の大人としてよりよく成長していく教育を学校だけでできているかというと私には大きな自信がありません。
  地域で子どもを育てる活動は、一時期、地域崩壊と言われた時代を克服して、盛り上がってきているようにも思えます。先進的な実践も数多く聞かれます。多分、ここに参加されている方はその優れた実践者の方でしょう。しかし、地域によっては、絆やつながりのない子どもも増えています。いじめや不登校やひきこもり、非行、自殺などの深刻な子どもの問題は、最近の大津事件以降、マスコミでますますクローズアップされていますが、人ごとで済ますわけにはいきません。この問題の責任は、学校?家庭?地域?…社会全体、大人全体の責任と考えなければならないでしょう。そして、社会全体が「子どもを育てる」スタンスを真剣に考えなければなりません。そして、大人が大人にならなければ子どもをよりよく育てられません。

 讃岐先生は、
  第一に学校と地域の人たちが「熟議」を重ね、地域でどのような子どもを育てるかという「子ども像」をつくりだし、それを目標として共有すること。
  第二に共有する目標を実現するために、学校と地域が「協働」して活動していく必要がある。つまり、地域の人たちが積極的に学校運営に参画し、「協働」して活動していくなかで学校改革をすすめていく。学校が地域づくりに参画していくこと。
  第三に学校と地域の人たちが相互理解を深め、信頼関係を築いていくために、「熟議」をし、協働して活動していくことと提唱しています。
  本研究会が、そうした活動のシンクタンクとなり、より実効的な「学びのコミュニティ」を創り上げるものになればと願っています。そして、わたしたちの子どもたちの未を輝かしいものにしていきたいです。

  以上、簡単ですがオリエンテーションを終わります。この後のシンポジウムでは、本研究会の目指すべき道筋が見えてくるのではないかと思います。では、シンポジウムの先生方、よろしくお願いします。


あいさつ
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オリエンテーション
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シンポジウム
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